「守秘義務がある」「個人情報だから答えられない」。記者をしていると、いろいろな場面でこう言われる。先日、新型インフルエンザの関連で神戸で取材した時もそうだった。
当初は市民の間にどれだけ感染が広がっているのか分からず、市内の病院に電話をして状況の把握に努めた。しかし、個人情報や守秘義務を理由に断られるケースがあった。「最近インフルエンザの患者を診たか」と聞いただけでも「守秘義務に抵触する」と答える医師もいた。
個人情報を守ることは大切だが、身を守る方法を考えるための正確な情報はもっと大切だろう。それを犠牲にしても隠すべきなのか、判断できない人が多い。(花澤)
毎日新聞 2009年5月27日 地方版