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洗足学園高に中傷電話約50件…生徒が首都圏初新型インフル感染

5月22日8時4分配信 スポーツ報知

 女子生徒2人の新型インフルエンザ感染が確認された川崎市高津区の私立洗足学園高校は21日、同じ敷地内にある幼稚園から大学院までのすべての学校を27日まで休園、休校とすることを明らかにした。前田隆芳校長は涙を流し「お騒がせして申し訳ない」と謝罪。しかし同校にはこの日、「責任を取れ」「バカ野郎」などの抗議や中傷の電話が50件以上あったという。これまで感染が判明した関西の高校にも同様の事態が起きている。

 洗足学園高校では当初は休校を見送る予定だったが、幹部らが協議して一転、判断を変えたという。前田校長は「学生や保護者が動揺しないよう考えた」と苦渋の表情で説明した。中学と高校のクラブ活動の対外試合や交流行事も27日まですべて自粛。休校中は、インターネットで宿題を出すなどして学力の確保に努めたいとした。

 前田校長によると、生徒らが参加した米ニューヨークでの「模擬国連会議」の主催者から、今月1日付で参加予定の各校に「ニューヨークで発生している新型インフルエンザについては状況を注視しているので、会議をキャンセルする理由は全くない」との電子メールが送られてきたという。

 校長は「主催者からメールをもらい、アメリカでは十分な態勢ができていると思ったが、責任は許可を出した私にある」と自責の念を口にした。学園のホームページにも経緯と謝罪文を掲載。会見中には涙を流す場面もあった。

 一方で、同校には21日早朝から抗議や中傷の電話が殺到。職員9人が対応に追われ、夕方までに約50件以上の電話があったという。大声で主張をまくしたて一方的に電話を切ってしまうパターンが多く、「何で生徒をニューヨークに行かせたのか」「社会的な不安を与えた責任を取れ」などの内容だったという。

 同様の電話は、最初に新型インフルエンザが確認された兵庫や大阪の高校でもあった。神戸高校には「市民祭りが中止になった責任を取れ」という筋違いの抗議も。インフルエンザに感染した生徒の個人情報の開示を求める電話も複数あったという。

 コラムニストの小田嶋隆氏はこういった抗議について「中には電話をして、相手の反応を見て楽しんでいる人がいる可能性もある」と指摘する。

 「みんなでやっているという安心感や集団心理が拍車をかけている。電話がきた場合でも、感情的にならず淡々と対応するのがベストです。余りに悪質なものならば、相手方の電話番号を表示するようにし通話を記録すれば、法的措置をとるときの証拠になります」と話した。

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最終更新:5月22日8時4分

スポーツ報知

 

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