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「ZARD」坂井さん3回忌 絶えぬ献花に病院困惑
27日に3回忌を迎える音楽ユニット「ZARD」の坂井泉水さんが亡くなった慶応義塾大学病院(東京都新宿区)に、献花など弔意を表す目的で訪れるファンが現在も後を絶たず、病院関係者が困惑している。人気歌手や俳優が死亡した場所を訪ねるファンは多く、歌手の尾崎豊さんが亡くなる直前に倒れていた民家の家主が、訪れるファンのために命日と誕生日に一室を開放しているという例もある。ただ、坂井さんの場合は病院というデリケートな場所だけに、所属レコード会社も献花などの自粛を呼びかけている。(安岡一成)
「負けないで」「揺れる想い」などのヒット曲を量産したZARDの坂井さんは、子宮頸(けい)がんを患い闘病中の平成19年5月27日、病棟のスロープから3メートル下に転落し死亡した。
東京都内の葬儀場で行われた「偲(しの)ぶ会」には4万人を超えるファンが参列し、死後CDやDVDの売り上げが急増。同年のNHK紅白歌合戦には、フィルムで“出場”した。
坂井さんが死亡した現場は、病院の正門近くにある。近くの店員によると、死亡直後から花や線香を手向けにファンが殺到、最近でも月命日などに手を合わせる人がいるという。手を合わせていた会社員の男性(30)は「出張のついでに寄った。坂井さんの歌は15年間心の支えだったので、どうしてもこの場所を訪ねたかった」と話し、写真を撮って立ち去った。
しかし、献花を見た入院患者や家族らの気持ちを考慮し、病院側は献花を禁止している。訪れたファンの問い合わせにも、警備員は「お答えできない」と口を閉ざしている。
病院での献花には、ファンの間でも意見が分かれている状態。27日には東京・日本武道館で追悼コンサートが開かれるが、所属レコード会社も公式ホームページで、会場に設置する献花台以外への花の持参などは控えるよう呼びかけている。
死亡した歌手の生前の手がかりを求めて、ファンが亡くなった場所や墓地を訪ねるケースは多い。4年に亡くなった尾崎豊さんは、当時の自宅近くの民家(東京都足立区千住河原町)わきで倒れているのを発見され、その後病院に搬送されたが死亡した。後にこの民家を訪れるファンが絶えず、家主の男性は一室にファンが持ち寄った尾崎さんの写真やポスターなどを飾りファンに開放。“尾崎ハウス”と呼ばれ、現在は命日と誕生日のみの開放になっている。