中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

自民安倍氏、動き活発 “再登板”視野か '09/5/23

 自民党の安倍晋三元首相が安全保障政策で積極的な発言を続けるなど動きが活発だ。首相「再登板」への意欲も指摘されるが、首相として臨んだ二〇〇七年の参院選惨敗は政権運営を難しくした要因。「政権を放り投げたイメージをぬぐい去るのは、なかなか難しいだろう」(安倍内閣の閣僚経験者)と冷ややかな声も多い。

 「社民党の人に『教育基本法を改正し、防衛庁を省に昇格させ、憲法改正を掲げる安倍首相が辞めて本当によかった』と言われた。私にとってはこれ以上ない褒め言葉。今、ファイトを燃やしている」。安倍氏は二十二日の講演でも敵基地攻撃能力の保有の必要性を強調、憲法改正に取り組む姿勢を示した。

 再登板自体については「野心を持つことは自重しなければならない」と慎重な発言を繰り返すが、「保守系議員には期待する声は少なくない」(党関係者)という。

 町村信孝前官房長官が十四日の派閥総会で民主党代表選を皮肉って「自民党でも、もう一度(総裁を)やりたいという方がいらっしゃったが、そういうことはなかった」と発言した際には、思わず隣の安倍氏を見る出席者もいた。

 町村氏に他意はなかったようだが、その夜の会合では若手からは「安倍氏へのけん制か」と議論が沸騰。同席した安倍氏は黙って話を聞いていたという。

 派閥では、町村氏が会長に就任した人事を機に、町村氏と「降格」された中川秀直元幹事長との確執が深刻化。中川氏の影が薄くなるにつれて安倍氏の存在感が高まった。二十一日夜には森喜朗元首相、町村氏らと衆院選日程をめぐり意見交換。若手から「政局の行方を教えてほしい」と会合に呼ばれることも多い。




HomeTopBackNextLast
安全安心