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【外信コラム】ロンドンの甃 妊婦に迫る危険
このニュースのトピックス:新型インフルエンザ
ブラウン英首相の妻、サラさんがスイス・ジュネーブで開かれている世界保健機関(WHO)の年次総会に出席し、妊婦の死亡率を下げるため母親の保健向上に努めようと訴えた。
妊婦は胎児に対する拒絶反応を起こさないよう免疫力が低下しているため、季節性インフルエンザにかかった場合でも、合併症を起こして重症になる危険性がある。妊娠中は使える薬も限られている。
WHOのマーガレット・チャン事務局長は「新型インフルエンザの妊婦死亡率はすでに許容できるレベルではない」と注意を促した。
田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長によると、新型インフルエンザの致死率は推定0・2〜0・4%と弱毒性だが、免疫力が落ちた妊婦には200倍の毒性を持つと考えられ、強毒性の鳥インフルエンザ並みの脅威となる。特に新型インフルエンザは感染力が強いだけに要注意だ。
日本産婦人科医会は、妊婦が新型インフルエンザに感染した場合、抗ウイルス薬タミフルやリレンザの使用を勧める通達を出した。
日本では妊婦に対するインフルエンザワクチン接種について調査が十分に行われていない。しかし、特別な副反応の報告はなく、今回の新型インフルエンザを機に日本国内での議論を急ぐ必要があるだろう。妊娠中の母親はすでにパンデミック(世界的大流行)の危険にさらされている。(木村正人)
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