政府の新型インフルエンザ対策本部が各地方自治体が柔軟な対応を取れるように「基本的対処方針」を改定したことを受け、都は22日、区市町村の担当者を集めた会議を開いた。都と各保健所に設けた発熱相談センターへのこれまでの相談件数は3万4000件を超え、同日夜には都内で3人目となる三鷹市内の男性の感染が確認された。さらに拡大が懸念されることから平日に限っていた各保健所の相談業務を土日休日にも拡大することを決めた。【江畑佳明】
発熱相談センターへの相談数急増を受け、各保健所は23日から相談時間を平日・土日休日ともに午前9時から午後9時までに拡大する。これに伴い、都の発熱相談センターは午後9時から翌午前9時となる。
これまでは都内各保健所が平日の午前9時~午後5時まで受け付け、その他の時間帯は都で引き受けていた。ところが関西地域での国内感染例が相次ぎ、相談件数が急増。都は19日、相談用専用電話を3台から5台へ増設したが、それでも「電話が鳴りやまない状態」(感染症対策課)。さらに「居住地に近い地元の保健所で相談するのが望ましい」と判断し、休日相談体制を拡大した。
一方、都は、都内や近県で新型インフルエンザ感染が拡大した場合、現在の発熱外来(65医療機関)以外で診療にあたる医療機関について、計850カ所のめどがついたと明らかにした。これまで医師会に協力を要請し、要請を受けた医療機関には優先的にタミフルやリレンザが供給される。
さらに、ドラッグストアなどでマスク売り切れが続いているとして、マスクを生産する業界団体に対し、増産とスムーズな流通を要請した。
都福祉保健局の担当者は「一部で買い占めが起きているようだ」と話している。
また、都は同日、区市町村担当者を集めた「危機管理連絡会議」を開いた。都内は関西地域とは異なり「ヒト--ヒト感染」がまだ確認されていないため、イベントの自粛要請をしないなどを確認した。
出席した各区市町村の担当者からは「学校の休校などはどう判断すればよいか」「タミフルはどうやって医療機関に届くのか」などの質問があった
〔都内版〕
毎日新聞 2009年5月23日 地方版