高校中退者や中学の不登校経験者がニートや引きこもりになる割合は、同世代の若者に比べて最大7倍近くに上ることが、15日に公表された内閣府の「高校生活及び中学生活に関する調査」で分かった。04年度に高校を中退したか不登校になった当時の中学3年生約2000人を対象にアンケートし、中退者168人、不登校経験者109人が回答した。その結果、中退者の14.3%、不登校経験者の15.6%が、「仕事をしておらず、学校にも行っていない」とニートや引きこもりに近い状態にあると答えた。
総務省が15歳以上の約100万人を調べた「就業構造基本調査」(07年)では、仕事や学校に行かず家事もしていない割合が20代前半は5.9%、10代後半は2.3%だった。これと比べると、中退者、不登校経験者がニートや引きこもりになる割合はそれぞれ2.4倍、6.7倍の計算だ。内閣府青少年育成担当は「調査数が少なく断定はできないが、中退者や不登校経験者が困難な状況に陥るリスクは高い」と話している。【井崎憲】
毎日新聞 2009年5月16日 11時27分(最終更新 5月16日 12時11分)