昭和大学病院(東京都品川区、飯島正文院長)が18日から、兵庫県と大阪府に一定期間滞在した人の患者面会を禁止していることが22日、分かった。
同病院は18日、新型インフルエンザの発生地域に兵庫県と大阪府が追加されたため、院内での2次感染を防ぐためと、両府県からの来院者の面会禁止を決定。玄関など6カ所に「兵庫県(神戸市、芦屋市)、大阪府(豊中市、吹田市、茨木市)に7日以内に行かれた方のご面会は、ご遠慮下さい」と掲示した。
同病院管理課は「国内の感染経路が特定されていない現状では、兵庫と大阪からの来院者がウイルスを持ってくる可能性がある。院内の患者を守るためには面会を控えてもらうしかない」と説明する。
毎日新聞の22日の取材の後、掲示を特定の地名を外し「新型インフルエンザがまん延している国または地域に滞在された方は、入院患者への感染を予防するため、面会をご遠慮下さい」などの文言に差し替えたが、面会禁止の方針は変えないという。
都感染症対策課は「面会禁止は聞いたことがない」と対応を疑問視している。
一方、厚労省新型インフルエンザ専門家会議委員の林茂樹・国立病院機構災害医療センター院長は「関西へは観光旅行に行って感染した人も出ている。病院側がなるべく感染を阻止したいと考えるのは過剰反応とは言えないのではないか」と話した。【福永方人、真野森作】
毎日新聞 2009年5月23日 2時30分(最終更新 5月23日 13時40分)