新型インフルエンザが拡大する中、県発熱相談センターに電話相談が殺到している。このため、県医師会(塩見俊次会長)は22日、「新型インフルエンザ発熱相談センター医師会分室」を設置した。また、県は25日から、7医療機関に設置している発熱外来を10医療機関に増やすと発表した。県内の警戒感は日増しに高まっている。
県の発熱相談センターは、24時間態勢で相談を受け付けており、22日までに6307件の相談が寄せられた。症状などを聞き取るため、1回の相談は20~30分かかり、神戸市で感染が確認された16日以降、「24時間電話が鳴りっぱなし」(県健康増進課)の状態という。
このため県医師会は、職員や医師2~3人態勢で午前9時~午前0時まで電話相談を受け付ける。受付票を県に送り、県が必要と判断すれば発熱外来に紹介する。発熱相談センター医師会分室の電話は090・1144・5623。
また、新型インフルエンザは弱毒性で季節性と変わらないとされるため、より柔軟な対応が取れるよう政府の「基本的対処方針」が改定されたが、県は現在の対応方針を継続することを明らかにした。
一方、22日発表した中学・高校の欠席者調査では、インフルエンザや風邪に似た症状で欠席したのは、145人と、前日より54人減少した。冨岡将人教育長は同日の定例記者会見で、「インフルエンザに似た症状が出ていた人も急速に数が減っているので、全般的には収まってきている印象がある。しかし緊張を解く訳にもいかないので心配している」と話した。
県内で感染が発生した場合は、感染者が通う市町村の全公立幼稚園、小中学校、県立高校を休校とし、高校生なら感染者が住む市町村でも同様の措置を取るという。【阿部亮介、石田奈津子】
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◆新型インフルエンザ相談窓口◆
・県発熱相談センター(24時間、0742・27・8658)
・奈良市発熱相談センター(土日含む午前9時~午後9時、0742・23・6173)
・生駒市相談窓口(土日含む午前9時~午後5時、0743・74・1111)
毎日新聞 2009年5月23日 地方版