女性支援団体「アジア女性資料センター」(東京)の本山央子事務局長らは19日、最高裁を訪れ、性犯罪関連の事件が裁判員裁判になる場合、裁判員候補者に被害者の氏名など個人情報を伝えないなどの保護策を講じるよう竹崎博允長官あての要請書を提出した。
裁判員候補者は、裁判員への選任手続きの際、被告や被害者の名前を含めた事件の説明を受け、事件との関係の有無を確認される。
実際に裁判員に選任されれば守秘義務が課せられるが、そのほかの候補者は事件の情報を第三者に伝えても、裁判員法上の秘密漏示罪の対象にならず、要請書は「被害者のプライバシーが保障されない可能性が否めない」と指摘。
その上で、プライバシー保護策を講じるまで裁判員制度の開始を延期するか、性犯罪関連の事件を裁判員裁判の対象から外すよう求めている。
要請書は52団体と個人844人の連名。本山事務局長は「最高裁の担当者からは全く具体的な回答がなかった。裁判が始まるまでに、何らかの策を考えてほしい」としている。〔共同〕(02:16)