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東証1部企業 売上高48兆円減、純損失3.2兆円

2009年5月21日22時2分

図:  拡大  

 09年3月期決算で東証1部上場企業の連結売上高の合計が587兆152億円と、前年より48兆2693億円(7.6%)減ったことがわかった。純損益は計3兆2千億円の赤字。減収額、赤字額とも過去最悪とみられ、今回の不況の打撃の大きさを示した。

 前年と業績を比較できる3月期決算企業の99.8%、1348社が20日までに決算を公表。日興コーディアル証券国際市場分析部が集計した。

 減収減益は7年ぶり。単純な比較はできないが、減収額は、東証が全上場企業の決算統計(単体ベース)を公表している80年3月期以降で最大だった99年3月期の29兆3750億円を超えた。純損失額も唯一赤字だった02年3月期(9669億円)の3倍超。

 日興の集計では、減収額は製造業が36兆4千億円(10.9%)、金融業は5兆7千億円(12.3%)、金融を除く非製造業は6兆円(2.4%)で、製造業と金融業の落ち込みが目立つ。純損益も、金融を除く非製造業は3兆8千億円の黒字だったが、製造業は3兆6千億円、金融業は3兆5千億円の赤字だ。

 33業種別では売上高は26業種で減り、証券、自動車、電機の落ち込みが大きい。純損益は全33業種で減り、うち17業種が赤字転落。

 10年3月期は、業績予想を公表した1301社の合計で売上高が12%減とさらに落ち込む見通し。純損益は黒字転換を見込むが08年3月期の水準にはほど遠い。ただ、純損益の赤字が続くのは上期(09年4〜9月)まで。日興の橘田憲和ストラテジストは「楽観はできないが、底打ちしつつあるとの見方が増えている」と分析している。(木村和規)

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