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提訴:延岡病院で死亡の遺族、県に3630万円求め「医療措置怠った」 /宮崎

 県立延岡病院に入院していた日之影町の男性(当時53歳)が、小腸を断裂して死亡したのは、病院が必要な医療措置を怠ったのが原因として、男性の妻と息子3人が県を相手取り慰謝料など3630万円を求め、宮崎地裁に提訴していたことが15日、分かった。提訴は4月16日付け。

 訴状によると、男性は木材販売会社に勤務していた02年10月8日、日之影町内の山林で作業中に機械のワイヤにはじき飛ばされて、腹部などを強打する重症を負った。町内の病院に搬送されたが「腹部を強く打っているので、きちんとみてほしい」と延岡病院に転送。しかし、病院は小腸の断裂に気付かず、両腕骨折の治療をした。

 男性は腹部の痛みを訴え続けたが、当時の外科部長は「おなかの手術は必要ない」と判断。しかし、2日後の同10日、血液検査で異常が見つかり、緊急手術をしたところ、小腸の4カ所が断裂していることが分かった。男性は29日、肝不全などで死亡した。

 原告は「なすべき医療措置を怠り、腹部損傷の発見が遅れたため、死亡させるに至った。当時53歳の一家の柱で、筆舌に尽くしがたい精神的苦痛を受けた」としている。

 県病院局は「訴状内容を吟味して、病院にこれまでの経緯や医学的見解をきいて調査する」としている。07年に遺族が同局に説明を求める質問状を提出しており、「遺族との過去のやり取りもふまえて、事実を抑えた上できちんと対応したい」とコメントした。【川上珠実】

毎日新聞 2009年5月16日 地方版

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