ワシントン(CNN) オバマ米大統領によるテロ対策の不備への批判を強めるチェイニー前副大統領の主張の支持率が今年1月の退任時に比べ、増加していることがCNNとオピニオン・リサーチ社が共同で実施した最新世論調査で21日分かった。
不支持率は依然、多数となっているものの、支持率は1月と比べ8ポイント増の37%となっている。不支持率は55%だった。
オバマ大統領は就任後、キューバのグアンタナモ米海軍基地にあるテロ容疑者収容施設の閉鎖、特別軍事法廷の審理中断、取り調べでの拷問禁止など、ブッシュ前政権の立場を覆す政策を打ち出している。
これに対抗する形でチェイニー氏は過去2カ月間、各種メディアに相次いで登場。オバマ氏は米国へのテロ攻撃を容易にする政策を容認していると批判を重ね、ブッシュ前大統領を弁護している。
チェイニー氏の主張への支持率が増加している背景については、退任後、米メディアの取材に応じていないブッシュ氏の支持率が6ポイント増を示していることからも、現政権によるテロ対策への米国民の信頼感が揺らいでいるとの見方もある。
今回の世論調査で、ブッシュ氏の否定的評価は57%、肯定は41%だった。調査は5月14日─17日に成人1010人を対象に電話で実施した。
チェイニー氏は21日、保守系シンクタンクでオバマ政権のテロ対策に関する講演を行う予定。オバマ大統領も同日、ジョージタウン大学でグアンタナモ基地のテロ収容者の今後の対応などについて演説を計画している。