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大手私鉄駅員への暴力、4年連続で過去最悪 08年度

2009年5月21日23時2分

 全国の大手私鉄16社でつくる日本民営鉄道協会は21日、08年度に駅員や乗務員が乗客から受けた暴力が236件あり、4年連続で過去最悪を更新したと発表した。好不況にかかわらず暴力は増え続けており、同協会は「乗客にストレスが増えていることが原因ではないか」とみている。

 同協会は00年度から駅員や乗務員への暴力行為の統計をとっており、08年度は初めて200件を超えた。

 加害者の65%は飲酒していた。年代では30歳代が24.5%と最も多い。ただ、最も少ない50歳代も15.8%で、年代による差は少ない。原因は「迷惑行為を注意して」が23%あったが、最も多いのは「理由なく突然に」の33.9%で、係員が身を守ることが難しい現状がわかる。

 名古屋鉄道の被害は3件あった。1件目は08年11月、名古屋駅で切符を持たずに自動改札を通り抜けようとした30歳代の男性に注意した駅員が数回殴られて額や足にけがをした。同駅では今年3月、終点の電車内で眠っていた30歳代の男性客を起こしたところ、殴られた駅員が頭にけがを負った。昨年8月には鳴海駅のホームで、酒に酔った50歳代の男性客から、発車した電車から顔を出して安全確認をしていた車掌が殴られる事件もあったという。近鉄では08年度の暴力被害が15件あり、前年度より3件増えている。

 私鉄各社は乗客への呼びかけだけでなく、防犯カメラや警備員を配置するなどの自衛策を講じている。

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