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「iPS細胞、創薬に期待」…山中・京大教授ら、難病患者に講演

 

 山中伸弥・京都大教授がiPS細胞の応用の可能性を、脊髄(せきずい)性筋委縮症などの難病を抱える患者らに話す講演会が、京都市左京区の京都大人間健康科学科で開かれた。

 「SMA(脊髄性筋委縮症)家族の会」(大阪市)が企画。山中教授は、米国で脊髄損傷の患者にES細胞(胚(はい)性幹細胞)を使った再生医療の臨床試験が始まることを紹介。しかし、「(ES細胞には)拒絶反応などの課題が残っている」と述べた。

 一方、iPS細胞研究センターの井上治久・特定拠点准教授はiPS細胞の可能性として「新しい創薬や、病状の進行に影響を与える遺伝子の解明などが期待できる」と話した。

 座談会では、筋ジストロフィーやインフルエンザ脳症の患者の家族から、治療費や治療の実現の時期を尋ねる質問が相次いだ。山中教授は「自分自身や研究員に患者さんの1日の重みが大きいことを言い聞かせている。成果の予想はできないが、(患者を費用負担などを支える)制度の実現や、研究が進むようにしたい」と力を込めた。

2009年5月19日  読売新聞)

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