米兵犯罪、国の賠償責任認めず　横浜地裁、元米兵に支払い命令

　神奈川県横須賀市で平成１８年１月、女性派遣社員の佐藤好重さん＝当時（５６）＝が殺害されて現金を奪われた事件の遺族らが、加害者の元米兵と日本政府に、計約２億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁の水野邦夫裁判長は２０日、元米兵に約６５００万円の支払いを命じた。日本政府への請求は棄却した。

　日米地位協定に伴う民事特別法では、米兵の公務中の不法行為による損害は米側に代わり日本政府が賠償責任を負うと規定。米兵の公務外の不法行為をめぐり日本政府への賠償責任が認められるかが焦点だった。

　原告は佐藤さんと結婚予定だった山崎正則さん（６１）、佐藤さんの子供２人。原告側は、事件を起こした元米兵ウィリアム・リース受刑者（２４）がに対する上司の指導が不徹底だったとして、米軍が監督責任を怠ったと指摘。国は公務外だったなどとして請求棄却を求めていた。