止まらない中小製造業の倒産

May
19
2009

 売り上げが3割減・・・これならば、何とか凌げるレベルでしょうか。しかし、4割、5割減となってくると、これは非常に厳しい現実があります。そして、業界によっては6割減、7割減も・・・。こうなるとよほど小まめな資本の蓄積を行ってきた企業でない限り、どうにもなりません。私が、「負けるが勝ち」を立ち上げたのも、実はそういう現実が私の周囲にたくさんあって、いろいろと相談を持ちかけられたりしたことが理由の一つです。しかし、本当に手の施しようもない状況で、そういう場合は無理をしないほうがいいというアドバイスもいくつかしてきました。

 

 無理をしてでも、企業を存続させた方が有利な状況はいくらでもあります。財務内容なども重要な要素でしょうが、それ以上に優秀な社員がいたり、景気敏感な業種であったりした場合は、将来の回復がある程度見通せるならば、頑張って踏ん張った方がいいと思います。しかし、現在の状況を考え、そして将来的な景気の動向を考えると、必ずしも楽観的になれる要素は多いとはいえません。特に、自動車関係、設備関係、弱電関係で、輸出がメインである業界に関しては、あと数年間はプラス転換はないと見ています。その場合、今年の秋が底と言われていますが、その時点で少なくともプラスマイナスゼロベースが確保できないと、非常に苦しいわけです。

 

 さらに、政府保証の借り入れ返済開始が来年1月から順次開始になります。その時点で返済余力を持てないとさらに苦しい状況になる可能性もあります。リストラをして、人件費を削減する、ワークシェアして現状を維持する。現実的にはどちらも非常に厳しい選択なのですね。私の知る限り、すでに太田市内だけでも今年になって20社以上が廃業または倒産に追い込まれました。その中には、アイエヌジー社が生産委託している企業も1社含まれます。これらは製造業だけのことですが、他業種をいれると凄い数字になるらしいです。

 

 目前にそういう状況があるんですね。そして遂には総選挙をここまで引き伸ばした麻生政権は、それだけ国内経済の回復を遅らせたと言っても過言ではありません。早々に体制を整えて、本腰を入れて景気対策に取り組まなければ、手遅れになるのは明白です。早く総選挙して、代議士の皆さんが地元に戻って、ナマの声をたくさん聞いてきて欲しいのです。これだけ、選挙区が分かれているのに、どうして大都市主導、大企業主導の経済政策になるのか・・・本当に不思議ですね。小選挙区にしても地域の利益代表になれないなら意味がない。すべて全国区でやればいいんです。そういう部分で毎年格差が広がるのは、まったく納得ができないことです。

 

 エコポイントもいいですが、給付金もハイブリッド車の補助金もいいですが、経済効果が特定業界に偏るのは良くないです。もっとオールジャパンで考えないとダメでしょう。

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Posted by 有海啓介 | この記事のURL |