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「日本はモデルケース」WHOが注目 新型インフル

2009年5月19日10時9分

 【ジュネーブ=田井中雅人】新型の豚インフルエンザの感染者急増への日本の対処法に世界保健機関(WHO)が注目している。途上国に比べて検査態勢や医療態勢が充実している日本での急増だけに、未知の病気との戦いのモデルケースになるとの指摘が出ている。

 WHOで新型インフル対策にあたる進藤奈邦子医務官は「(患者が急増している)神戸や大阪は検査・報告態勢がしっかりしており、学校閉鎖やイベント中止などの措置がきちんととられている。日本については、感染拡大で危機的状況になるような心配はしていない」と話す。

 さらに進藤氏は「日本で数多くの治療経験を重ねるなかで、どういう人が重症化するかや、危険因子があるのかといった、未知のウイルスについての情報も集まる。世界に先駆けて新型インフルに対処するモデルケースとなりうる」と期待を口にする。

 最近のWHOの専門家らの注目は、英国、スペイン、日本の3カ国だ。海外渡航歴がなく、だれからうつされたかわからない「地域社会レベルの持続的感染」が、米州以外で確認されれば、警戒レベルを現在のフェーズ5から最高度の6(パンデミック)に引き上げる要件が整うからだ。

 英国やスペインは「感染者の大半は北米への渡航歴があり、持続的感染にはあたらない」と主張。感染確認者数が急増する日本に注目が集まる構図になっている。

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