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広島少年院で「教官が性的虐待」 少年の母親が証言

2009年5月19日4時10分

 広島少年院(広島県東広島市、佐藤公昭院長)の法務教官4人が、収容されている約50人の少年に暴行を繰り返していた問題で、教官の1人が少年(19)を裸にして股間を触ったり、風呂場で別の少年の頭を何度も湯につけたりするなどの虐待をしていた疑いのあることが、保護者らへの取材でわかった。

 少年(19)の母親によると、この少年は昨年12月に収容された。その後、施設内で教官から裸になるよう強制された。教官は他の少年が見ている前で、股間をつかみ、周りにいた少年2人にも触るよう命じた。少年(19)が声を上げると「声を出すな」などと言って殴ったという。

 少年院側はこの母親に対し、教官が少年の股間をつかみ殴ったことを認めているという。母親は朝日新聞の取材に「明らかに性的虐待でまるで拷問。少年院は大人を信用させて社会復帰を促す施設のはずなのに」と憤った。

 また、元収容者の少年(17)によると、今年2月ごろ、施設内の風呂で入浴していると、1人の教官が別の少年の服をつかんで風呂場に入ってきた。少年を浴槽に投げ入れ、「寝るな」などと大声を出しながら頭を何度も湯に押しつけたという。

 元収容者の少年によると、教官が週に数回は殴ったりけったりするのを目撃したという。他の教官も暴行を目撃していたが、止めに入ったのは見たことがないという。元収容者の少年は「抵抗すると処遇が悪くなると思い、殴られた人は誰にも相談できなかった。他の教官が止めてくれないと自分たちは何もできない」と話した。

 一方、トイレが汚かったことを理由に、おむつをはくよう強要された少年の母親も朝日新聞の取材に応じた。母親が15日に面会した際、少年は「思い出すだけで涙が出る。最近あまり眠れない」と話したという。母親は「教官へは怒りを通り越し憎しみを感じる。せめて経緯をちゃんと説明してほしい」と訴えた。

 広島矯正管区は「個別の事案にコメントできないが、調査を続けている」と説明している。広島少年院の法務教官による暴行について、広島地検は特別公務員暴行陵虐容疑で捜査を進めている。

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