財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が18日開かれ、日本医師会の中川俊男・常任理事が出席し、医療費削減に反対の立場で持論を展開した。社会保障費削減を主張している財政審に、主張が対立する医師会の代表が出席したのは初めて。
中川常任理事は、「02年度以降の医療費抑制が、病院閉鎖や医師不足の原因。社会保障費削減の計画を撤回し、診療報酬を引き上げるべきだ」と述べた。具体策として、高齢者を中心に患者の自己負担を引き下げ、医師不足解消のため診療報酬の引き上げを提言。財源として必要な約9兆円は、消費税を11・5%程度に引き上げることで穴埋め可能だと指摘した。
財政審の委員からは「開業医に偏っている報酬の配分見直しで対応すべきだ」などの批判が続出。西室泰三会長は会見で「医療ユートピア論という印象を受けた」と医師会の提言を酷評した。【斉藤望】
毎日新聞 2009年5月19日 0時23分
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