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プルサーマル始動へ MOX燃料国内到着 静岡・御前崎

2009年5月18日9時56分

写真:海上保安庁の職員(手前)らが警備する中、輸送船から荷揚げされる、MOX燃料が入った専用容器=18日午前10時27分、静岡県御前崎市、小川智撮影海上保安庁の職員(手前)らが警備する中、輸送船から荷揚げされる、MOX燃料が入った専用容器=18日午前10時27分、静岡県御前崎市、小川智撮影

写真:静岡県御前崎市の港に到着した、MOX燃料を積んだ輸送船。対岸ではプルサーマル計画に反対する市民らが集会を開いていた=18日午前9時29分、静岡県御前崎市、小川智撮影静岡県御前崎市の港に到着した、MOX燃料を積んだ輸送船。対岸ではプルサーマル計画に反対する市民らが集会を開いていた=18日午前9時29分、静岡県御前崎市、小川智撮影

写真:輸送する車両の上に載せられた、MOX燃料が入った専用容器=18日午前11時25分、静岡県御前崎市、小川智撮影輸送する車両の上に載せられた、MOX燃料が入った専用容器=18日午前11時25分、静岡県御前崎市、小川智撮影

 中部電力と九州電力、四国電力が、原子力発電所で使うためにフランスで製造したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を積んだ輸送船が18日、静岡県御前崎市の港に到着した。中部電浜岡原発で使用する分が荷揚げされ、同原発に運ばれた。使用済みの核燃料から抽出したプルトニウムをMOX燃料に加工し、ふつうの原発(軽水炉)で燃やす「プルサーマル計画」で使う。今秋にも九電が国内で初めて実施し、以降、2社も実施する予定。

 MOX燃料の国内への輸送は3回目。

 輸送船は、九電玄海原発(佐賀県)と、四電伊方原発(愛媛県)での使用分も積んでおり、各地に寄港して陸揚げする。輸送船は3月5日にフランスを出発。アフリカ南端の喜望峰を回って日本に到着した。テロなどに備え、詳しい経路などは明かしていなかった。

 使用済みの核燃料をリサイクルして再び使用するプルサーマルは、ウラン資源の有効活用につながるとされ、エネルギー政策の柱のひとつになっている。九電は今秋にも、輸送されたMOX燃料を使って、日本初となるプルサーマルの実現を目指している。

 中部電は05年、プルサーマル計画を公表。08年に地元自治体が受け入れを判断し、同年5月からフランスでMOX燃料を製造していた。今後、国などの検査を経て、10年度にも浜岡原発4号機(出力114万キロワット)内の燃料の一部をMOX燃料に置き換えて燃やす予定。

 プルサーマルをめぐってはこれまで、東京電力と関西電力も計画し、99年と01年に欧州からMOX燃料が運び込まれたが、データの捏造(ねつぞう)やトラブル隠しなどによって、地元の自治体が同意を撤回するなどし、使用は見送られてきた。(高山裕喜)

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