2009年5月17日 21時24分 更新:5月18日 0時3分
兵庫県や大阪府の新型インフルエンザ感染は17日も拡大し、感染が確認された患者は80人に達した。成田空港での検疫で見つかった高校生らと合わせ日本の患者は計84人。大半は特定の高校の生徒や家族などだが、つながりがはっきりしない患者も出ており、さらに拡大する様相もみせている。大阪府は感染症指定医療機関が満床にならないよう、軽症者の自宅療養も認めるなど、国の行動計画第3段階の「まん延期」に相当する対応を決定。茨木市など3市での大規模商業施設の営業自粛要請も決めたが、橋下徹知事は社会的影響の大きさから、「通常のインフルエンザ対応にできないか」と対策の緩和を検討する必要性にも言及した。
両府県の関係者などによると大阪府茨木市の関西大倉中・高校、兵庫県立神戸、兵庫高校など学校関係者が感染者の多数を占め、集団感染の様相。大阪府八尾市の小学生や関西大学の学生が感染するなど高校生以外にも感染者が拡大した。いずれも症状は軽いという。感染者の居住地は大阪・兵庫の広範囲に及び、学校休校、施設閉鎖など影響が大幅に広がった。
大阪府は同府八尾市の小学6年生の女児(11)の感染が確認されたと発表した。国内の小学生で初めての確認例で、渡航歴はない。
兵庫県西宮市は17日、市内の実家にいる男子大学生が、新型インフルエンザ感染が確定したと発表した。大学生の感染が確認されたのも初めて。関西大学の4年生で、症状が出るまで大学のある大阪府吹田市で暮らしていた。
西宮市によると、大学生は今月15日に発熱などを訴えて16日に同市内で受診。検査で感染が確定した。渡航歴はないという。
大阪府は学校の所在地や感染した生徒が住む茨木、豊中、吹田の3市を対象に、すべての幼稚園、保育園、学校の計442カ所を休業させる対策を決めた。対象の児童・生徒らは約16万人。通所型の高齢者施設、映画館などの休業や、多数の人が集まるイベントの中止も要請。23日まで実施し、感染拡大が止まれば解除する。
兵庫県は17日、新たな感染者が発生した県立高砂高、八鹿高のある2学区で県立学校計20校を休校とし、大学や私立学校など14教育施設に休業を要請する。井戸敏三知事は会見で、風評被害への懸念を示した。