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新型インフル:「日本も地域社会へ拡大」WHO電話会議で

 【ジュネーブ澤田克己】日本での新型インフルエンザ感染拡大を受けて、世界保健機関(WHO)は17日、日本の専門家などを交えた電話会議を開いて状況を検討した。会議に参加したWHO関係者は「日本では既に(ウイルスが地域社会に)出ていってしまっている可能性が高いのではないか」という見方を示した。

 WHOが「地域社会での感染拡大」を認定すれば、米州以外で初めてとなる。「世界の2地域以上で地域社会での感染拡大」が確認されると、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に備える警戒度を現在の「フェーズ5」から最高レベルである「6」へ引き上げる条件がそろうことになる。

 ただ、ケイジ・フクダ事務局長補代理ら幹部は「病気の重さとフェーズは無関係」と繰り返しており、警戒度引き上げに伴って新たな対策が取られるという状況にはない。インフルエンザ対策を担当するWHOの進藤奈邦子医務官は「5と6は単純に地理的な広がりだけの違い。WHO内部では、もうパンデミックが起きているという認識で行動している」と話している。

 警戒度引き上げを巡ってはこれまで、欧州諸国での感染拡大が引き金になると見られていた。特に、英国とメキシコでの感染拡大が注目されていたが、スペインは感染者のほとんどがメキシコ帰りで、英国もメキシコ旅行をした生徒が在籍する学校での感染拡大が多い。WHOは「両国とも感染源を特定できない地域社会レベルの流行とは言えない」(フクダ事務局長補代理)としてきた。

 ただ、日本の場合、大阪と神戸での感染拡大は今のところ海外渡航歴を持つ人との関連が見つかっておらず、英国、スペインとは状況が違いそうだ。WHO勤務経験のある日本人医師は「日本は欧州より人口密度が高く、インフルエンザが流行しやすい」と話しており、WHOはこうした点を重視して日本での感染拡大に警戒感を強めている模様だ。

毎日新聞 2009年5月17日 21時44分

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