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上高地の落石、わき水侵食原因か 通行止め全面解除めど立たず 5月16日(土)

 松本市安曇の県道上高地公園線の落石事故で県は十五日、市安曇支所で地元住民や観光業者らへの説明会を開き、県道の全面通行止め解除のめどが立っていないとした。少なくとも十八日までは通行止めを継続。住民らに限り、十六日から一時的な通行を認める。県松本建設事務所維持管理課の米山秀比古課長らは落石の原因について、わき水による浸食が進み、石積みが崩壊したと推測されるとした。

 十五日は同事務所職員らが、県道の約八十メートル上にある古い道の名残とみられる高さ二・五メートルほどの石積みのうち、崩れる恐れのある幅八メートルの範囲の石を落とし、せり出していた土砂や木を除去した=図参照。十六日は斜面に残るなどした石を県道まで落として搬出する予定。県道に仮設する落石防護柵は工法を検討中で着工は十七日以降としている。

 事故の発生源となった石積みがある古い道路の名残について、上高地五千尺ホテル会長の藤沢三千穂さん(86)は「昭和十年代前半、県が主要道とは別に、落石事故などで通過できなくなった際の迂回(うかい)路として造ったと記憶している」と話している。同事務所は事故発生までこの存在を把握しておらず、「図面にもなく全く不明」としている。

 説明会では、通行止め解除のめどがたたないことについて「全国から問い合わせの電話がある。お客さんに見通しを説明できないのはつらい」との声が出た。上高地の宿泊施設は、十六、十七日の営業を見合わせるところもある。

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