2009.05.15 Web posted at:  18:15  JST Updated - CNN
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タリバーンが市街戦態勢、勢力拡大の恐れ 専門家が警告

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パキスタン北西辺境州での軍、タリバーンとの交戦から逃れてきた住民

イスラマバード(CNN) パキスタン北西辺境州のスワート地区などで同国軍との戦闘を続けるイスラム強硬派勢力タリバーンは、同地区の中心都市ミンゴーラに兵力を結集し、大規模な市街戦へ向けて戦闘態勢を固めている模様だ。米民間情報機関ストラトフォーの専門家が14日、警告を発した。

ストラトフォーの戦略アナリスト、レバ・バッラ氏が「現地からの報告」として語ったところによると、タリバーンはミンゴーラ市内で塹壕(ざんごう)を掘り、地雷を敷設し、建物の屋上に戦闘員を配置するなど、臨戦態勢に入っている。送り込まれた戦闘員は約5000人に上るとみられる。「この規模の攻撃に、パキスタン軍の訓練、装備で対応できるかどうかは疑問だ。米軍でも二の足を踏むような事態になる」と、同氏は警告する。

同地区ではパキスタン軍が約3週間前から、タリバーンを「一掃する」目的で徹底した掃討作戦を展開している。戦闘地への報道機関、支援団体の立ち入りは認められていない。

同氏は、「軍によるスワート地区での掃討作戦は4回目だが、過去3回とも、タリバーンは組織を再構築して同地区へ戻ってきた」と指摘。さらに、地区周辺で急速に膨れ上がる避難民キャンプが、タリバーンによる勧誘の格好の標的となる恐れがあるとの懸念を示した。

北西辺境州当局の高官は14日、パキスタン軍とタリバーンとの戦闘により過去10カ月間に発生した避難民は約150万人に及ぶとの見方を示した。過密状態のキャンプでは衛生環境の確保が難しく、伝染病のまん延も懸念されている。アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は同日、「避難民は今も増え続けている」と述べ、国際社会による「大規模な支援努力」の必要性を訴えた。

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