VVV会長「本田はオランダのトップ5のクラブに行くべき」
VVVは24日のハーレム戦に1−0で勝ち、オランダ2部リーグ優勝、そして1部リーグ復帰を果たし、シーコンスタディオンはお祭り騒ぎになった。
「ちょっとばかりわたしも疲れたよ」と喜びの集団から抜け出てきたハイ・ベルデン会長は、思わずどかりといすに座り込んだ。しかし、その後ろの壁にかかっているかつての優勝記念写真を見つけると、「このスタジアムに新たな写真が加わる。その中で、優勝盾を高く掲げるのはケイスケなんだ」と本田圭佑の取材に訪れた日本人記者を見渡し、そして続けた。
「この前も言ったけど、ケイスケはヨーロッパで初めての優勝チームの日本人キャプテン。今季は彼のためのチャンピオンシップだった」
前回、ベルデン会長は「ケイスケにはVVVに残ってほしい。彼はVVVのレギュラー選手。しかもキャプテン。そんな立場でアヤックスやPSVと戦うのは、ケイスケにとっても悪いことではない」と語っていたが、この日は違った。
「わたしはケイスケの移籍をブロックすることはしない。2部リーグに落ちたVVVに残ってくれたことに関して、わたしは本当に彼に感謝している。ケイスケはオランダのトップ5クラスのクラブに行くべき。トップ5とはアヤックス、PSV、AZ、トゥエンテ、ヘーレンフェーンのこと。え、フェイエノールト? フェイエノールトはトップ5じゃない(笑)」
ベルデン会長は「本田の移籍金は1000万ユーロ(約12億9000万円)」と公言しているが、ハーレム戦後は「通貨単位が違う。1000万ユーロじゃなくて、1000万円だ」とジョークを飛ばした。
Jリーグクラブとの試合を予定している日本遠征に関しては、「2部リーグ優勝チームとしてスリ・プロフスとの試合をしなければならないので、チーム全員で日本へ行くのは難しくなった。Jリーグチームとの試合はどうかな。でもトレーニングセッションぐらいはやるだろう」と語った。
スリ・プロフスとは、スリナム出身、もしくはスリナム人の親を持つオランダ人選手による即席クラブで、毎年オリンピックスタディオンで2部リーグ優勝チームと親善試合をすることが伝統となっている。しかし、今年は5月12日にアムステルダム・アレーナで、スリ・プロフス、スリナム代表、アヤックス、VVVの4チーム参加によるミニトーナメントとなった。
「ちょっとばかり疲れたよ」と、スタジアムではくたくたになっていたベルデン会長。しかし深夜1時半ごろ、祝賀パーティーが行われているフェンロ中心街にあるカフェの2階から身を乗り出し、広場に集まったサポーターに向かって盛んに元気よく手を振っていた。
-Toru Nakata from Holland-
[ スポーツナビ 2009年4月25日 18:56 ]
最新のコラム - [欧州サッカー]
- オランダ2部MVPの本田「今年は移籍のビッグチャンス」
(中田徹)[09/5/15]
- プジョル「どんな形で優勝を迎えても構わない」
リーガ・エスパニョーラ 第35節インタビュー(WOWOW)[09/5/15]
- 小野伸二はなぜ輝けないのか?
孤高の天才が抱え続ける苦悩(島崎英純)[09/5/15]
- マンUとバルセロナ、CL決勝への異なる道のり
(セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky)[09/5/13]
- ファーガソン監督「C・ロナウドはピッチに残りたかっただけ」
イングランド・プレミアリーグ第36節レビュー(LiveSports.jp)[09/5/12]