2009年5月15日 18時3分更新
横浜市は119番通報の内容から患者の容体を判断して緊急性を判定する「コールトリアージ」と呼ばれる全国初の救急搬送システムを去年、導入しましたが、緊急性が低いと判定されながら実際には生命の危険が差し迫った状態だった患者が2人いたことがわかり市はシステムを改善することになりました。
横浜市は去年10月、119番通報の内容をコンピューターに入力して緊急性を5段階で判定し、その結果に応じて必要な人数の隊員を出動させる他緊急性がない場合は同意を得たうえで搬送を辞退してもらう「コールトリアージ」を導入しました。
横浜市が導入から半年の3月末までの119番通報6万8692件の判定結果を調べたところ、緊急性が低いと判定されながら、病院で生命の危険が差し迫った「重篤」と診断された患者が2人いました。2人とも快方に向かいましたが、このうちの1人は、通報した際に「腹痛」を訴えてたものの「意識」や「歩行」は問題ないと伝えたため軽症を示す「C」と判定され、病院の検査で腸に穴があいていることがわかり緊急に手術を受けたということです。
また、緊急性が高いと判定されながら病院で「軽症」と診断された患者も827人いて、トリアージの判定と患者の容体とが異なるケースがあることがわかりました。一方、「シャンプーが目に入って痛い」「じんましんが出てかゆい」などの通報を受け、トリアージをする前に搬送を断ったケースが530件ありましたが、このうちの35件は辞退の同意を得られず救急車を出動させたということです。横浜市安全管理局の上原美都男 局長は「患者の状態を聞き取る項目が不十分なことなどからトリアージと診断結果が異なるケースがあり、誤った判定をなくすためプログラムを修正したい。また、必要のない119番通報は控えて、重症の人を搬送できるように協力をお願いしたい」と話しています。