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名張市立病院:昨年度決算、不良債務9億4600万円 13年度黒字化困難に /三重

 名張市立病院(百合が丘西1)の昨年度決算での不良債務が9億4600万円と、前年度から4億6100万円増加見込みであることが14日分かった。累積赤字は81億6400万円に上る見込み。不良債務は一般会計からの繰り入れや公立病院特例債の発行などで処理するため、13年度までの病院会計の黒字化を目指す「改革プラン」の達成は一層困難な見通しとなった。【宮地佳那子】

 ◇累積赤字、81億6400万円に

 市議会全員協議会予算・決算部会で同病院の中野伸宏事務局長が明らかにした。同病院はここ数年、医師不足が深刻化、医師の負担軽減策として病床制限や内科完全紹介外来制などを導入。昨年度は07年度に比べわずかに総収益が上向いたが、03年度比では25%以上の減収となっている。

 経営健全化には医師不足を解消し、病床利用率を上げるなどの対策が必要。しかし04年度末に27人だった常勤医は現在24人。研修医の新規採用も2年間できていない。

 改革プランでは、13年度までの経常収支黒字化を目標とし、昨年度の不良債務を3億円と見込んでいた。しかし、予想を上回る債務の累積により、各年度の数値目標や経営改善に向けた取り組みの見直しが避けられない見通しとなった。

 中野事務局長はまた、同病院など名張、伊賀両市の総合3病院の院長らで構成する「伊賀地域医療体制整備計画検討委員会」を夏までに組織し、伊賀地域の医療体制再編を検討することを明らかにした。

〔伊賀版〕

毎日新聞 2009年5月15日 地方版

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