東京都町田市民病院で生まれた男児(5)が脳性まひになったのは、分娩(ぶんべん)方法の選択ミスが原因として、横浜市青葉区の両親と男児が市側に約1億8000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(柳田幸三裁判長)は13日、約1億3800万円の支払いを命じた1審・横浜地裁判決(07年6月)を取り消し、請求を棄却した。
判決によると母親は03年6月、破水して同病院に入院。医師はまず吸引分娩を試みたが、困難と判断して帝王切開に切り替え、男児が生まれた。原告側は「最初から帝王切開を選択していれば、重い後遺症は防げた」と主張。高裁は「母体のリスクを考慮して先に吸引分娩を試みた」と指摘、1審とは逆に医師の過失を否定した。【伊藤一郎】
毎日新聞 2009年5月15日 地方版