館蔵の逸品


木戸松子 愛用紅小鉢



【伊万里焼 直径15センチ、高さ7センチ】


 天保14年、若狭小浜藩士の長女に生まれた松子は、父の死後上京して、三本木・吉田屋の芸妓竹中かのの妹分となり、14歳の時に二代目幾松を襲名しました。
 幾松は、なじみの小間物商広戸甚助から桂小五郎(木戸孝允)を紹介されます。蛤御門の戦いで敗れ、新選組の探索を受けていた桂を、幾松はたびたび救いました。維新後、幾松は木戸夫人となり松子と名乗りました。明治10年に木戸が没すると木屋町別邸(幾松旅館)に移り住み、剃髪して翠香院と号しました。明治19年没。
 この紅小鉢は、幾松時代から愛用したものです。口紅やほお紅に使う紅粉を溶かし、鉢の中心がかなり摩滅しています。幾松の数少ない遺品の1つです。

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