医師への時間外手当支給を制限していた札幌医科大付属病院が、札幌中央労働基準監督署の意見を踏まえ支給要件を改正していたことが13日、分かった。
同病院は今年2月、時間外や休日勤務手当の支払いを予算範囲内に制限することを明記した文書を各診療科に配布。ところが、勤務実態に合った支払いをするよう定める労働基準法違反の可能性があることが発覚。支給の要件を見直していた。
これまで時間外勤務手当の支給要件は「帰宅後の緊急呼び出し時」に限られていたが、実際には所定労働時間後に緊急手術や診療も行っており、実態に合わせて未払いを解消することにし、4月1日から実施している。
同病院によると、07、08年度分の時間外と休日勤務手当の未払いは延べ1085人分で合計約2645万円あり、4月21日の給与で未払い額を支給したという。【鈴木勝一】
毎日新聞 2009年5月14日 地方版