(cache) 小さな出版社でベストセラー (お仕事講座(自立独立開業ガイド))
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小さな出版社でベストセラー

同世代にエールを送るために、
設立された社員全員が20代の出版社

サンクチュアリ出版


 25 歳の高橋歩社長が率いるサンクチュアリ出版は、全ての社員が20代というユニークな出版社だ。同社は、「自分たちと同じ20代の若者たちが自分らしく生きるための様々なガイドブック」を発行してきた。創業して三年あまりだが、出版点数はすでに10冊を数える。一万部が売れればヒットと言われる書籍の世界で同社の出版物は好調な売れ行きを示している。

尾崎豊やデニス・ロッドマンなど若者にカリスマ的人気をほこる人物たちの名言を、その自伝の紹介とともに編集した「CROSSROAD」は4万部を売り上げた。また、若いOLたちに転職を勧める「辞めることから始めよう」は心理編、行動編合わせて3万部を売り上げている。今年の4月プロレスラーを引退したアントニオ猪木氏のメッセージ本「猪木イズム」も、同じく3万部を売り上げ今も売れ続けているという。

 
● 22歳の社長が自伝を出すために設立

 そもそもサンクチュアリ出版は、21歳で仲間と一緒に始めたアメリカンバーを成功させた高橋社長(当時22歳)が、それまでの自分の軌跡を自伝にし「同世代の人々にエールを送くりたい」という主旨で設立された会社だ。自伝を出すために出版社を作ろうと思った高橋社長だが、出版業界のことは全くといっていいくらい知らなかった。そのため、最初は出版業界のことを書いた本を読みこの業界のことを知ることから始めたという。

本を全国の書店に流通させるにためには、トーハン、日販などの取次会社の取り引きコード(口座)が必要になる。先に紹介したレゾナンス出版の場合、様々な条件が重なり幸運にもこの取り引きコードを取得できたわけであるが、普通は何の実績もない会社に対し簡単に口座を設けてはくれない。

 そんな取次会社に対し高橋氏は、無謀にも電話で申し込みをしようとしたという。もちろん結果は門前払だった。しかしその電話で、自社でコードを取得できない会社に対しコードを貸してくれる会社があることを聞き出す。さっそく高橋社長は、そんななかの一社に連絡をとって交渉を行った。最初は、取り引きをすることを渋っていたその会社も最後には高橋社長の熱意に根負けして取り引きをすることを認めてくれた。

また、印刷会社については、業界のトップ10社にかたっぱしから電話をかけて交渉しそんななかの一社の担当者がやはり、高橋社長の情熱に負けて取り引きをしてくれることになった。ちなみにこの担当者はいまでは、同社の相談役として、いろいろな経営上のアドバイスをしてくれているという。

このように、未知の分野である出版業界に情熱だけで切り込んでいった同社だが、最初の三冊は全く売れなかった。

経営資金は、成功していたアメリカンバーで貯めたお金や友人、知人からの借入金によつて賄われていたが、そのころにはほとんどなくなりかけていた。そんななかで出版されたのが先に紹介した3万部のヒットを記録した「辞めることから始めよう」である。

 

● ゲリラ的販売促進活動がヒットを呼ぶ

 この本では様々な販売促進活動を行った。発行日が12月24日ということにちなんで、12月の中旬に、この本のターゲットであるOLの出勤時間にサンタクロースの格好をして都内各所に出没。お菓子や風船と一緒に本のチラシを配ってまわった。また、OL向けの転職セミナーを何度も開催しそのなかで本のPRを行った。そんな効果もあってか、この本は30誌あまりの雑誌に紹介されたという。

同書の成功に力を得たサンクチュアリ

出版は、外部から編集と営業のプロを招きいれ新体制を発足させる。そして、それと同時に「4冊40万部構想」をぶちあげた。向こう一年の間に10万部売れる本を4冊出すという計画である。「CROSSROAD」や「猪木イズム」はその流れのなかから生まれたヒツト作だ。

こうして構造不況が叫ばれる出版業界で異彩を放つ出版社に成長した同社だが、さる8月31日をもって「解散」宣言を行った。各メンバーが、新しい夢に向かってそれぞれの一歩を踏み出すのだという。このことは「4冊40万部構想」を立てたときに高橋社長が同時に宣言していたことだ。高橋社長は彼女と一緒に世界冒険旅行に出発する。

9月1日からは、これまで営業部長だ

った鶴巻謙介氏が新たに代表となり、全く新しいスタッフを集め新生「サンクチュアリ出版」を建ち上げていくのだという。「同世代へのメッセージを発信するという根本は変えずに僕なりの全く新しいサンクチュアリを作って行きたいと思っています」(鶴巻氏)。

同社の活躍が、これからも期待される。

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