架空請求詐欺グループの仲間割れによる4人リンチ死事件で殺人、傷害致死罪などに問われたリーダー格の無職、清水大志被告(29)の控訴審判決で東京高裁は12日、死刑とした1審・千葉地裁判決(07年8月)を支持、検察側と弁護側双方の控訴を棄却した。長岡哲次裁判長は「執拗(しつよう)で残忍な犯行。果たした役割も大きく死刑を選択するほかない」と述べた。
弁護側は殺害の共謀はないと主張したが、高裁は「被告から殺害を指示されたとの共犯者の供述は信用できる」と退けた。検察側は1審が傷害致死罪を認定した被害者1人について殺人罪が成立すると訴えたが、高裁は1審同様に殺意を認定しなかった。
1審判決によると清水被告は04年10月、グループのメンバー4人が被告らを襲う計画があると聞き無職、渡辺純一(32)=2審で死刑、上告中=や会社役員、伊藤玲雄(34)=1審で死刑、控訴中=両被告らと共謀。東京都新宿区のビルに4人を監禁したうえ口や鼻をふさぐなどして2人を殺害、熱湯をかけるなどして2人を死なせた。【安高晋】
毎日新聞 2009年5月12日 20時13分