レイプ被害のパキスタン女性の実話が映画化

　レイプ被害に遭ったパキスタン女性ムクタル・マイさんの法廷闘争が、映画化されることになった。

　パキスタンの部族間の争いに決着をつけるため、部族の取り決めにより、彼女は公衆の面前で集団レイプに遭った。この処罰を受けた女性の多くが自殺しているが、マイさんは訴訟を起こし、海外メディアを味方につけ、ニューヨーク・タイムズ紙のニコラス・クリストフ記者が執筆した記事によって世界的な有名人となった。

　映画版は『シティ・オブ・ゴッド』で共同監督を務めたカティア・ルンドが脚本・監督を担当する。ジェイ・ローチとジェニファー・ペリーニが彼らの製作会社Everyman Picturesを通じてプロデュースを行う。

　ローチは、映画化への意欲をこう説明する。「彼女は、パキスタンにおいて女性の地位向上を求める象徴的存在です。カティアが執筆した企画書を、私たちはすべてのスタジオに持ち込みました。しかし、インスピレーションに満ちた物語であると認めてもらえたものの、資金集めができないという理由で断られてしまいました」

　Everymanは、米投資会社Passport Capitalと、パキスタン初の民放局ARY Digitalからの出資を自ら取りつけることに成功。ARY Digitalは、映画のテレビ放映をすることになっており、パキスタンでは論争を呼ぶことになりそうだ。