新型インフルエンザが、ついに日本の空の玄関口に上陸した。カナダから米国経由で成田国際空港に帰国した大阪府立高校の男子生徒2人と教員1人の感染が判明した9日、水際作戦の最前線はにわかに慌ただしさを増し、緊迫感が漂った。【宍戸護、駒木智一、斎川瞳】
3人が入院している成田市飯田町の成田赤十字病院には朝から報道関係者が詰めかけ、騒然とした空気に包まれた。病院側は正面玄関などの掲示板に「重要なお知らせ」という文書を掲示。「感染防御設備が整い、院内外への感染の心配はない」と説明した。
この日は救急対応のみの休診日で、人の出入りはまばら。職員や面会者らはマスク姿だった。午後3時ごろには成田空港検疫所職員が3人の旅行かばんなどを運び入れた。病院関係者によると、3人は感染症科の医師らの治療を受け、食事も取っているという。
3人のうち機内検疫で症状が見つかった2人のそばにいた乗客47人と乗員2人の計49人は、8日夜から空港内のホテルで待機。このうち40人余は9日午前10時ごろ、荷物を抱え2台の大型バスに分乗して空港近くのホテルに移った。関係者によると、一行は貸し切りのフロア4階分に滞在。対応はすべて厚生労働省の職員が行い、ホテル従業員は接触していないという。
49人のうち、3人と行動を共にした高校生7人が体調不良を訴えたため、同日午後、県内3カ所の病院に搬送された。
女子生徒2人が運ばれた旭市の旭中央病院によると、2人は37度台の熱やせきの症状があり、のどの痛みも訴えている。
芝山町の高根病院には男子生徒1人、女子生徒2人の3人が入院。女子の1人は37度台前半の発熱で軽いだるさ、もう1人は36度台後半で頭痛を訴え、男子は、37度台後半の熱でタミフルを服用したという。
以上の5人は簡易検査では陰性で、新型インフルエンザの可能性は低いとみられる。だが、念のため厚労省の指示で5人の検体は都内の感染症研究所に送られ、陰圧式の感染症病棟に入院。早ければ10日午前にも結果が出るという。
このほか、千葉市中央区の千葉大付属病院にも生徒2人が搬送され、診察を受けている。
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毎日新聞 2009年5月10日 地方版