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足利事件再審請求 再鑑定の結果「DNA不一致」

2009年5月8日18時17分

 栃木県足利市で90年、当時4歳の女児を殺害したとして殺人罪などに問われ、無期懲役が確定した菅家利和受刑者(62)の再審請求で、女児の衣服に残された体液のDNAを再鑑定したところ、菅家受刑者のDNA型と一致しない結果が出た。東京高裁(矢村宏裁判長)が依頼した2鑑定人のいずれもが「不一致」と結論づけた。

 菅家受刑者は、警察庁の科学警察研究所(科警研)が91年に行ったDNA鑑定によって「一致する」とされたことが決め手となり、同年逮捕された。公判では最高裁が00年にDNA鑑定結果の証拠能力を初めて認め、一、二審の無期懲役判決が確定した。

 弁護側は02年に再審請求。一審の宇都宮地裁は再鑑定を認めなかったが、即時抗告審で東京高裁が昨年12月、再鑑定を行うことを決定。2人の鑑定人に対し、DNA型が一致するかどうか、改めて鑑定するよう求めていた。

 同高裁は8日、弁護側と検察側の双方にこの鑑定書を交付した。今回、再鑑定によって異なる結果が出たことで、再審を開始するかどうかの判断に大きな影響を与えることになりそうだ。

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