足利事件、再審の公算 再鑑定でDNA型不一致栃木県足利市で1990年、保育園女児=当時(4)=が誘拐、殺害された事件で、東京高裁は8日、再審請求している菅家利和受刑者(62)=殺人罪などで無期懲役確定=と、女児の着衣に付着していた体液のDNA型が一致しなかったとの再鑑定結果を弁護団側、検察側双方に伝えた。 弁護団が同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し明らかにした。 確定判決が有力な証拠と認定した「捜査段階の鑑定によるDNA型一致」を覆す結果で、再審開始の公算が大きくなった。 弁護団によると、再審請求中の事件でDNA再鑑定が行われたのは初めてという。 今回の再鑑定は、検察側、弁護団側がそれぞれ推薦した鑑定人2人が異なる方法で分析、いずれも不一致の結果だった。うち検察側推薦の鑑定人は、捜査段階の鑑定方法について「当時、刑事司法に適用する科学技術として標準化が達成されていなかった」と指摘した。 再鑑定の結果について、弁護団側、検察側双方は6月12日までに意見書を高裁に提出する。 確定判決によると、菅家受刑者は90年5月、足利市内のパチンコ店から女児を近くの河川敷に誘い出し絞殺した、とされる。 菅家受刑者は1審公判途中から無罪を主張。捜査段階の自白やDNA鑑定の信用性を争ったが、1、2審に続いて最高裁は2000年、DNA鑑定の証拠能力を初めて認定、上告を棄却する決定をした。 【共同通信】
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