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フィギュア:キム・ヨナが本紙読者にメッセージ(下)

 どこにあるかも分からないカメラや視線を意識するということは、少なくともわたしのように素のままに行動するのに慣れた人間にとっては、かなりつらいことです。時々ですが、逆にわたしは冷遇されているのではないかと思うときがあるほどです。

 街を歩いていると、小学生と思われる子供に「あ、キム・ヨナだ」と大声で言われ、すぐに「キム・ヨナって何よ。キム・ヨナお姉さんでしょ」とゲンコツをしたくなるときもあります。

 わたしの行動や発言に対し、いい方に受け取ってくださる方々は本当にありがたいと思いますが、その一方で「過剰包装」になっていくようで怖いという気持ちもあります。また、スターになって困ることや不満なこともあるため、時々スポーツ・スターではなく、普通の学生になれたらと思うことがあるのも事実です。

 それでも、今は「わたしは公の立場にいる」ということを繰り返し自分自身に言い聞かせています。今年になってより一層多くの方々がわたしのことを「大韓民国の希望」として応援してくださいます。わたしが国際大会でいい演技ができるのも、国民の皆さまがくださる愛への小さな恩返しではないかと思っています。

 わたしが今後スポーツ選手としてどれだけ活動できるかは分かりませんが、はっきりしているのは、現役選手としての生活よりも、引退後の人生のほうが長いということです。現役選手として成功したからといって、必ずしも人生でも成功するとは言えないでしょう。もしかしたらスポーツ・スターとしての成功は、人生の成功の出発点ではないかとも思います。

 今後もっと大きなスターになっても、わたしは変わらないでしょう。これまでも、今も、そしてこれからもわたしはありのままのキム・ヨナであり続けるだけです。ただ、わたしのことを応援してくださる方々に「いい演技をするためベストを尽くしたすばらしい選手」として記憶してもらえたらうれしいです。それこそ、わたしが一番大切に思っている価値でもあります。

 一生懸命頑張っているわたしを、これからも見守っていてください。読んでくださりありがとうございました。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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