県内でも7日、米国カリフォルニア州から入国し県内に滞在していた幼児が新型インフルエンザに感染した疑いが持たれた。県保健環境研究所の遺伝子検査で結局、感染は否定された。ただ、流行地域からの入国者は、感染症法に基づく健康監視の対象として検疫所がリストにして都道府県に連絡し、都道府県は電話などで対象者の健康状態を10日間把握することになっているが、今回のケースでは機能しなかった。検疫所での人手不足が原因だが、感染拡大を防止する仕組みに、問題点も浮かんだ。
今回のケースでは、感染症法に基づく健康監視の対象となる幼児は4日、成田空港で入国し、中部国際空港を経て、同日夜に県内に入った。しかし、中部国際空港検疫所から、4日に入国した県内関係者のリストが県保健医療課に届いたのは6日午後8時20分ごろ。夜間だったため、県は県内の各保健所に連絡しておらず、幼児の健康状態を把握していなかった。同課は「リストが夜間に届いたため、対象者の迷惑を考え、対象者に電話をかける保健所への連絡を見送った」と説明する。
そんな状況の下、6日午後11時ごろになって、幼児の親族から保健所に発熱などの連絡があり、感染症指定医療機関で受診することになった。指定医療機関が「新型インフルエンザ感染の疑いがある」と、県に連絡したのは、7日午前2時ごろになってからだった。
このため県は7日、「対象者の健康状態を把握する前に、新型インフルエンザが発症していた可能性があった」として早急なリスト作りなどを要請した。
ただ、厚生労働省新型インフルエンザ対策本部も「各空港の検疫で人員を増やしているが追いつかない状況」に置かれているのが実情だ。【山田尚弘】
毎日新聞 2009年5月8日 地方版