2009年5月7日21時58分
小沢民主党代表=09年4月28日、記者会見で
いつ決着するのかもわからない小沢氏の「進退政局」。鳩山氏の会合に参加したある議員は、現状をこう例えた。「何なんだろう、このモヤモヤした感じは……。まさに『雨宿り状態』だ」
小沢氏は先月29日のメーデー中央大会で「衆院選に勝利し政権交代を実現する。身の果てるまであらゆる障害を乗り越え、使命を達成する」と戦う姿勢を鮮明にした。しかしその後の行動は、党内を振り回すばかりだ。
民主党は1日、麻生首相との党首討論を13日に開くよう与党に提案。2日に鳩山氏が小沢氏と会い、党首討論を受けるよう促したところ、小沢氏は前向きだったという。
しかし、提案段階では「反転攻勢に出るつもりだ」と評していた若手議員も、連休が明けたとたん、こんな懸念をのぞかせた。「党首討論で勝てばいいが、党首討論がいやで(13日までに)辞める可能性もあるのではないか」
小沢氏は13日の夕方から長野県飯田市でのパーティー出席を約束している。党首討論は本会議、予算委員会などの審議に首相が出席する週は開催しないという与野党の申し合わせがある。与野党は13日に討論を開く方向で調整に入ったが、そもそもこの週の討論は駆け引きの末に流れることを見越して与党側に提案したのではないか、との疑念も民主党内にはくすぶる。
連休前には辞任・続投両派がさや当てを演じた。小沢氏の辞任を求める連判状の動きが発覚する一方、旧民社系の山根隆治参院議員が小沢氏の続投支持を訴えた手紙を党内に配布。小沢氏側近議員が「情報提供を」との手紙を記者クラブにファクスした。
7日夜、小沢氏と距離を置く前原誠司前代表らが参加するグループ「凌雲会」が会合を開いた。ある幹部からは「このまま待つのか、行動を起こすのか。どちらのリスクをとるのかは我々次第だ」という意見が出たという。
鳩山氏が6日、「どういう状況になろうとも結束を乱さないことが大事。執行部にお任せを願いたい」と語ったように、執行部は党分裂回避に神経をとがらせるばかりだ。