2009年5月7日21時58分
小沢民主党代表=09年4月28日、記者会見で
大型連休明けには動き出すと見られていた小沢民主党代表の進退について、同党議員らの間に疑心暗鬼が生じている。続投意欲を示してきた小沢氏は、連休中の会合を欠席して「雲隠れ」し、怪情報に幹部らが翻弄(ほんろう)された。ぬかるみから脱せないまま、党内には重苦しい空気が充満している。
小沢氏は7日夕、鈴木宗男・新党大地代表と東京都内の個人事務所で会った。小沢氏の代表続投を強く支持する鈴木氏は、政治資金問題について助言したという。
だが、大型連休から7日にかけて、民主党の中堅幹部が「雲隠れという昔の病気が再発したのか」といぶかるような事態が相次いだ。
西松建設事件を受けて党が設けた有識者会議。7日に予定された小沢氏と鳩山由紀夫幹事長からの意見聴取が急きょ中止になった。同会議は「不正確な報道」を理由に挙げたが、混乱は否めない。「説明責任」を果たす機会はまたも先送りになった。
長野県軽井沢町で6日夜にあった鳩山由紀夫幹事長のグループの懇親会。小沢氏の日程を考慮し、小沢氏支持議員や輿石東参院議員会長らとともに結束を固めようとしたが、小沢氏は欠席した。
「なんで小沢代表はこういう時に来ないのか」。憤る参加議員からは「(小沢代表を)チェンジだ。チェンジ」「鳩山、菅(直人代表代行)で(小沢氏に辞任を求めて)決着をつけるしかない」という声が漏れだした。メンツをつぶされた格好の鳩山氏は「(欠席)理由はよくわからないが、こういう(進退が注目される)状況だから遠慮されたのでは」と釈明した。
疑心暗鬼は広がるばかり。大型連休中に、こんな怪情報が飛び交った。「小沢氏が5日に緊急記者会見をし、重大決断を発表する」――。小沢氏の秘書役である奥村展三・役員室長はあわてて上京したが、結局は空騒ぎだった。