6日グルジアでNATOの軍事演習が行われました。これに対して、ロシアがこの演習に反発しています。
およそ1000人が参加して6日に始まった、グルジアとNATOの軍事演習。「仮想敵国」とされているのは、去年グルジアと戦火を交えたロシアに他なりません。
ロシアは去年8月、南オセチアに進攻したグルジアに対し、「市民の保護」を理由に軍事介入。そして、ロシア軍はそのままグルジア領内まで攻め込み、軍事占領を続けたため、国際社会から非難を受けました。
ロシアが撤退したあと、NATOはグルジアで軍事演習を行うことを決めましたが、今度はロシア側が「挑発的な行為」だとして、たびたび延期するよう求めてきました。
「これは間違った危険な決定だ」(ロシア・メドベージェフ大統領 4月17日)
こうした中、演習開始まで残り24時間に迫った5日、グルジアは予期せぬ緊張に包まれました。首都トビリシ近郊の戦車部隊の一部が、サーカシビリ大統領に反抗し基地内に立てこもる一方、トビリシではクーデター未遂事件が摘発されたのです。
グルジア側は、「クーデターを企てた」として軍の幹部を逮捕し、ロシアとの共謀をにおわせる証拠のビデオを公開。
「グルジア領内で緊張を高めるような行為を行わないよう、ロシアに警告する」(グルジア・サーカシビリ大統領 5日)
グルジア側は、事件に関与したとして民間人13人と軍人500人の取り調べを続けています。一方、ロシア外務省は6日、モスクワのNATO事務所の職員2人を国外退去処分にしました。
クーデター未遂事件に、ロシアは本当にかかわっていたのでしょうか。ロシア大統領府はサーカシビリ大統領の警告に対し、「頭がおかしいとしか思えない。病院に行くべきだ」と批判しています。(06日23:06)