2009年5月5日19時58分
【北京=琴寄辰男】中国を訪れている鳩山総務相は5日、中国の李毅中・工業情報相と会談し、携帯電話など通信分野での技術協力強化の合意文書に調印した。中国でもサービスが始まった第三世代(3G)携帯電話での情報配信などで共同研究を進め、さらに通信が高速な第三・九世代の技術開発でも協力する。
携帯を通じた動画、ゲームの配信や電子決済など、日本で成功した「iモード」のようなサービスを、中国の3G携帯でも提供できるよう研究を進めることが協力の柱だ。中国の通信事業者、日本の研究機関、情報配信事業者の3団体が、近く共同で「日中モバイルブロードバンド合作推進会」を設立する。
中国の携帯電話は第二世代(2G)がまだ主流。高速データ通信やテレビ電話が可能で、日本で普及している3Gへの移行はこれから本格化する。中国の携帯加入件数は08年末で約6億4千万件と世界最大。2Gで日中が異なる規格を採用し、日本企業の中国展開が遅れた反省をふまえ、早い段階から政府主導で技術協力を進める。先月末の日中首脳会談で合意していた。