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「攻めの農業」実習生に依存―在日華人第4部・列島街村(4/4ページ)

2009年5月5日2時33分

 張さんと段さん、胡さんは研修生らを支援する全統一労働組合(東京都台東区)に駆け込み、「シェルター」(避難所)に身を寄せた。3人は社長らを傷害罪などで告訴。来日費用を出すために多額の借金もしており、「3年間働いた分の給料を最低賃金の金額でいいからきちんと払ってもらいたい」と未払い賃金の支払いを会社に求めた。

 甲府労働基準監督署は4月初め、6人に約1115万円の未払いがあるなどとして最低賃金法違反などの疑いで社長らを書類送検した。

 この会社の社長は「この労働条件で納得して来日していると思っていた。違法とは思っていなかったが、誤った認識だった。申し訳ない」と話し、未払い分は弁護士を通して支払うとしている。ただ、「暴行も軟禁もしていない」と主張している。

 法務省入国管理局によると、昨年、研修生の残業や最低賃金不払いなど、452の受け入れ機関で計549件の「不正行為」があった。

 日本政府は3月初めに、入管法の改正案を国会に提出した。「技能実習」という在留資格を創設し、研修生も実習生も雇用契約を結んで、労働関連法を適用させ、最低賃金や残業代を保証するという。

 全統一の鳥井一平書記長は「研修は本来の目的の研修にすべきだ。労働者を必要とするなら、研修とは別に労働者としてきちんと受け入れる制度をつくるべきだ」と語る。

(編集委員・大久保真紀)

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