ただいまぁ、楽しかったわ。
投稿者:泰葉◆[32f4e73]
「あらっ?、あなた煙草やめたの?」
一週間の旅行から帰ってくるといつもあるはずの場所に灰皿がない。
「今日からなんだ。」
と微笑みながら答える夫。
私はこのひとと結婚できて本当に良かった。
今回の友人達との旅行も夫が背中を押してくれなかったら、参加しなかったろう。
しかし、心配性の私は旅行中もずっと夫と反抗期を迎えた小学校2年生の一人娘サキのことが心配で仕方なかった。
「でもあなた、いつも3日と続かないんだから。カレンダーにつけといてあげるわ。」
私は今日の日付に○をつけた。
サキの部屋に様子を見にいくと勉強をしていた。
珍しい。
私がそっと入ってきたことに気付くと、意外にも「お帰りなさい。お母さん。楽しかった?」ときいてきた。
「勝手に入ってこないでよ」と怒られることを期待してたのに拍子抜けだ。
下におりていくと夫がビールと何やらおつまみを準備していた。
つまみは私の大好きなカマンベール。
「乾杯」
私は旅行がいかに楽しかったか夫に報告した。多少の誇張は夫への恩返しの気持ちも込めて。
話ながら夫を見ていて違和感を感じた。
「あらっ?あなたチーズいつの間にか食べられるようになったの?」
「あらっ?」
※ 文中に使用されている人名、地域名、会社名、組織名、製品名、イベントなどは架空のものであり、実際に存在するものを示すものではありません。
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