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【社会】

子どもの医療費助成に地域格差 23区突出 中学まで無料

2009年5月5日 07時01分

 子どもの医療費助成制度について、東京都と全国十八の政令市で、助成内容に大きな開きがあることが、本紙の調べで分かった。多くの自治体で対象年齢や助成額を拡充しているが、東京二十三区は突出して手厚く、中学生まで患者負担分を全額助成している。自治体間の差は大きく、地域で“医療格差”のあることが浮き彫りになった。

 東京二十三区では、二〇〇五年に港区と台東区が、保護者の所得にかかわらず零歳から中学生まで、入院と通院にかかる医療費を無料化した。〇六年に北区と世田谷区が続き、〇七年にはほとんどの区が無料化を実施。昨年四月に江戸川区が中学生の通院助成を医療費の一割から全額へと拡大し、全区で所得制限なしに無料となった。

 同じ都内でも、多摩地区の二十六市では、医療費の全額助成は小学校就学前まで。小中学生への助成は自己負担分の三分の一で、所得制限もあった。今年十月からは、小中学生も入院医療費の自己負担は無料となり、通院医療費も一回二百円までが自己負担で残りを助成するようになる。

 政令市でみると、さいたま、横浜、静岡、名古屋、川崎の各市が入院医療費を中学生まで無料。新潟市は就学前に限り、通院医療費の自己負担を一回五百三十円までとしていたが、四月から小学三年生までに拡大した。浜松市は来年四月から小中学生の通院の一部助成を検討している。

 新潟市の担当者は「一定の受益者負担は必要という医療保険制度の趣旨を踏まえ、助成を拡大しても無料にはしない」と話している。

 一方、助成を就学前に限定しているのは、仙台、千葉、堺、岡山、広島、北九州、福岡の七市だった。

 子どもの医療費助成は、各市町村が都道府県の補助を受けて実施するか、独自に助成するケースがほとんど。大阪府は今年一月、通院医療費の自己負担を一回五百円から八百円に引き上げる方針を打ち出しており、大阪市の担当者は「市としても合わせざるを得ない可能性が高い」と話している。

(東京新聞)

 

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