臨済宗大本山・建仁寺(東山区)の大方丈の襖絵(ふすまえ)として桃山時代に描かれた、海北友松(かいほうゆうしょう)筆「雲龍図」(重要文化財)の4幅がデジタル複製され、10日まで特別公開されている。
複製が作られたのは「雲龍図」全8幅のうち「吽形相(うんぎょうそう)」の4幅。方丈にあった50面の襖絵は34年の室戸台風以降、掛け軸に表装し直され、京都国立博物館に寄託されている。
今回の複製制作はNPO法人京都文化協会が、07年からキヤノンの技術支援で進めている「文化財未来継承プロジェクト(綴(つづり)プロジェクト)」の一環として着手。同博物館にある掛け軸の原画一幅ごとにデジタルカメラで45分割で撮影、合成して元の姿の襖絵として複製した。同社のソフトや特殊な和紙を使い、オリジナルと寸分違わないような精巧な出来栄えという。
同時展示は、雲龍図の残りの4幅「阿形相(あぎょうそう)」と「竹林七賢図」(重文)8幅の原画(ともに掛け軸)。【野宮珠里】
毎日新聞 2009年5月2日 地方版