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【社会】

「根回し」「親分肌」で柔軟姿勢 河村名古屋市長、無難な1週間

2009年5月4日 11時00分

 名古屋市の河村たかし市長が当選して、3日で1週間。その一挙一動にテレビカメラが向けられ、気の利いたコメントで“役者ぶり”を見せる一方、議会や職員に配慮した人心掌握術も発揮。まずは無難な船出といえる。

 3日は親子連れでにぎわう東山動物園(名古屋市千種区)を視察した。2017年の開園80周年に向けた整備計画「再生プラン」の見直しは公約の一つ。視察は、見直しに賛成する自民市議団・桜井治幸団長が持ち掛けた。

 河村市長は「せっかくなら」と民主、公明、共産にも呼び掛け、全会派の団長らが顔をそろえた。民主以外、市長選を戦った“野党”だが、団長らは軒並み「見直し」に同調するなど、まるで“オール与党”の雰囲気に。

 議会への配慮は、先月30日の就任後初の会見でも見られた。会見は急きょ決めたが、会見内容を事前に各会派に説明するよう職員に指示する“根回し”ぶりも。こうした姿勢に、桜井団長は「うちは是々非々で臨む。なるほどと思うことは応援する」と話す。

 「税金で食っとる方は極楽」など選挙中は公務員たたきを続けた。初登庁した同28日も職員へのあいさつで「極楽は事実」と触れつつも「最後は私が全部、責任を取ります。皆さんは自由にやってほしい」と付け加えることも忘れなかった。

 こうした“親分肌”に加え、バスで通勤し、食堂で昼食をとる姿に「前市長にはない親しみやすさ」と話す職員も。巨大な垂れ幕を庁舎内に掲げるなど、「絵になる」場面を次々とつくり出し、メディアへの露出度も高い。

 「情報公開」にも積極的で、新型インフルエンザの感染が疑われたケースでも、検査結果が出る前に会見を設定。今後の河村市政を占う市長のマニフェストの工程表を各局が報告する11日の幹部会議も、全面公開する。

 もっともこうした“河村流”の真価が問われるのは、これから。「本当に市長が責任を取ってくれるのか」(職員)「今は選挙直後で熱気がある。誰だって悪者にされるのは避けたい」(市議)との声もある。

 河村市長は3日、本紙に「もう1週間か。それより今は11日がどうなるか楽しみでかなわんわ」と話した。

(中日新聞)

 

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