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タリバーン掃討で難民3万人 パキスタン、拡大の恐れ

2009年4月28日19時54分

 【イスラマバード=四倉幹木】パキスタン軍が同国北西辺境州下ディール地区で26日から開始した反政府武装勢力タリバーンへの掃討作戦で、同州政府は、新たに約3万人の国内難民が28日までに発生したことを明らかにした。また軍は首都イスラマバードから100キロのブネール地区でも28日、掃討を開始。07年ごろから断続的に実施されているタリバーンへの軍事行動では首都から最も近く、難民が首都近辺に流入する可能性がある。

 同州のフサイン情報相は28日の記者会見で、「難民を受け入れる準備をしている」と述べた。地元紙は同地区で軍による攻撃に巻き込まれて女性1人が死亡したと報じ、民間人の被害が懸念される。

 国連によると、昨秋から今年初めにかけて北西部バジョール地区で行われたタリバーン掃討作戦などで、今年1月下旬時点で20万人以上の国内難民が難民キャンプなどで生活している。うち約1万6千人は、今回の作戦が始まった下ディール地区の四つの難民キャンプに収容され、難民の増加が懸念されている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は「難民の規模や移動状況を確認し、できるだけ早く救済したい」としている。

 軍はまた州政府と和平を結びながら、ブネール地区に進出したタリバーンの1グループに対し28日夕、空爆を含む攻撃を始めた。軍報道官は「タリバーンが表明した同地区からの撤収はうそで、450人以上が拠点を築き和平協定に違反した」と新たな作戦の理由を説明。一方で下ディール地区では司令官を含むタリバーン兵計70人以上を殺害して全域を掌握し作戦を終了した、と述べた。

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