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新型インフル国内発生想定し準備 政府、運用は弾力的に

2009年5月2日1時3分

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写真成田空港の団体カウンターでは、マスク姿で搭乗手続きをする一行の姿が見られた=1日午前、飯塚悟撮影

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 新型の豚インフルエンザの世界的な拡大を受け、政府は引き続き水際対策に万全を期すとともに、国内での患者発生を想定した準備に踏み出した。1日の新型インフルエンザ対策本部(本部長・麻生首相)では、外出や集会の自粛要請を含む新たな「基本的対処方針」を決定。ただ、市民生活に大きな影響を与えるだけに、実際には弾力的に運用する方針だ。

 政府は2月に改定した「新型インフルエンザ対策行動計画」で、感染の拡大に応じた5段階の対策を決めた。海外で発生しながら、国内では患者が確認されていない現在は「第1段階」に当たる。対策は国際空港での検疫強化など、日本国内にウイルスを侵入させない水際対策が中心だ。

 水際の防衛線が突破され、国内で患者が発生すると「第2段階」に移る。この場合、感染を極力、患者のいる地域に封じ込め、拡大させないことが主眼となる。行動計画では、地域住民全体への抗インフルエンザウイルス薬の予防投与や人の移動制限などを判断するとしている。

 カナダから帰国した横浜市の男子高校生は最終的に感染の疑いなしとされたが、感染が確認されていれば、第2段階への移行が想定された。舛添厚生労働相が1日の閣議後の会見で「国内で(患者が)発生した途端に、発想法を変えないといけない。水際対策ももちろんやるが、基本的には体制を大きく変えて、国内で戦う」と述べたように局面は大きく転換する。

 患者が学生なら、自治体が学校側に臨時休校を要請。周辺の学校に休校を求める可能性もある。スポーツ施設や博物館、コンサート会場など不特定多数の人が集まる施設も活動の自粛を求められ、企業は症状がある従業員の出勤停止を求められる。患者は指定医療機関に隔離入院させられ、家族らは予防的にタミフルなどを投与される。

 いずれも患者が確認された地域が対象だが、地域社会に与える制約は大きい。そこで、政府の対処方針でも、一連の措置は「ウイルスの特徴や感染拡大の恐れに応じて弾力的、機動的に講ずる」と明記された。河村官房長官も会見で「地域の状況に応じて適切な対応をとる」と語った。

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